革靴のデザイン
革靴の基礎デザイン
革靴はベースとなるスタイルとそれに加えられるデザインで決まる。今回は、革靴の6つのデザインについて説明していきます。
プレーントウ
靴のつま先に何を施していない(飾りのない)、非常にシンプルなデザインのシューズ。
靴の基本形といわれ、非常に多くの革靴に使われているつま先のデザインである。シンプルなデザインだけに、素材や造りの丁寧が端的に表れる。シンプルゆえに綺麗に保っておくことが鉄則。シューズケアを小まめに行いたい。
ビジネスのスーツスタイルはもちろん、カジュアルな恰好にも合わせやすい。どんなシーンでも履くことが出来る汎用性の高いシューズ。
ウイングチップ
つま先の革の切り替えに使われる革片(チップ)が、翼(wing)のような形をしているため、ウィングチップといわれるようになった。革に施された装飾の多さからドレッシーな靴と思われがちだが、この靴のルーツは、アイルランドやスコットランドの湿地で履かれていた作業靴。ウィングのパーフォレーションと呼ばれる穴飾りも、本来、単なる飾りではなく革靴の通気性や水切りをよくするといった目的であった。
そのデザインからドレッシーでクラシックな雰囲気を感じるが、そのルーツからも分かるようにカジュアル寄りな靴である。アメトラ(アメリカントラッド)やブリトラ(ブリティッシュトラッド)なスタイルの足元に合わせたい。
ストレートチップ
つま先部分との素材等の切り替えが横一直線に施されているもので、非常にシンプルなデザインである。黒のストレートチップは「最もフォーマル」な形状で「キャップトゥ」とも呼ばれる。ビジネスはもちろん、冠婚葬祭にも使える基本の一本。
ジャパンメイドであるSCOTCH GRAIN(スコッチグレイン)のインペリアルブラックはストレートチップのシューズとして有名。
モンクストラップ
ここでいう「モンク」とは、修道僧のことを指しており、彼らが普段はいている靴がデザインのもととなっている。ストラップ部分はサイドに大き目の留め具をあしらっている。
本来はブリティシュトラッド・シューズだが、モード系のスタイルにあわせることも。
ローファー
U字のモカステッチが特徴のスリッポンタイプでアメリカンカジュアルシューズの代表。革靴の中でも非常にシンプルなデザインで、特徴はコインを挟める程度のストラップがついていること。そのため、「ペニーローファー」とも呼ばれる。着脱が非常に容易である。
足元が軽く見えるため、春夏に重宝する。カジュアル向きの靴のため、ビジネススーツとの相性は良くない。ビジネスシーンで使う場合は、ジャケパンスタイルに合わせるのが吉。
タッセル
タッセルとは房飾りのことを指す。足の甲の部分にタッセルが取り付けられたもので、見た目には違いが分かりやすい。アメリカでは弁護士の象徴とされている。現在のスタイルのタッセル・ローファーはAlden社がつくった。
ローファーの中ではドレスよりなため、ビジネスシーンでも着用できる。